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4日に、生まれて初めてお葬式に行った。
その日はなんだか妙に暑くて、
黒い服を着た人たちや制服を着た人たち、
場違いに派手な金髪をした女の子たちが
涙をぬぐうみたいに汗を拭いていた。

死んだのは小学校・中学校の同級生の男の子だった。
9年間同じ学校に通ってた割には
特にこれと言った接点は無くて、
だからたぶん友達ではなっかた、と思う。

彼の人生に関わったと思われることはひとつだけあったけど、
それは今となっては特に意味を持たず
けれど「やさしい人だったね」などと言う言葉を
私が使うのはちょっとおかしいような気がしたので
私はそのひとつの思い出だけ胸にしまっておくことにした。

私は彼の友達ではなかったから、
やはり彼の事を想っても泣けないのだけど、
(実際、中学を卒業してから3年近く会っていなかったわけだし、
これからも会う予定は無かったのだ)
(そう、多分私の人生に直接的な影響は無かった)
彼を取り巻くいろんな人になって、
私は泣いた。
いっぱい泣いた。

葬儀場を出た女の子たちの変わり身の早さにびっくりした。
体中が重くて、目の裏側がいたくて、
すごく体が熱くて、空はどんよりとしていて、
私は葬儀中に脳裏に焼きついたさまざまな場面を思い出した。

悲しみが焼きついたみたい。
いろんな人の悲しみが被写体。
お昼頃家に帰って、ベッドに倒れこんだらもう起き上がれなくなった。
眠たくは無い。目は冴えきっている。
いろんな人の悲しみがさらさらと染み込んでいくみたい。
動けなくて、また泣いた。
私はどんどん違う人に変わる
大泣きしていた子や 下を向いて泣いていた子 嗚咽をあげて泣いていたいとこの男の人
顔を上げて涙をこらえていた子 彼の母親 彼の父親
棺おけの横でただ彼の顔を見つめていた二人の男の子―
ぐるぐると違う人になり その分泣いて
疲れた、と感じたときはもう夕方の5時を回っていた。

たぶん、これは呪縛ににている
延々とリピイトされる思考、

私は友達ではなかったから、
「ありがとう」なんていえない。
素直にお別れすることすら出来なかった。

耐え難い苦痛にも似ているこの悲しみは、
重く湿っていてどこか甘い。
そう、ちょっとだけ、甘いのだ。

あの日から3日、ずっと雨が降っている。

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